出産体験記 #7 無痛分娩を経験して

出産体験記 #7 無痛分娩を経験して

今回は無痛分娩を体験されたNさんの体験記をご紹介します。

近年増加している無痛分娩。「本当に痛みがなくなるの?」「どんな風にお産がすすむの?」​という声をよく聞きます。

多くの方が興味を持たれています。

Nさんは医学的知識をお持ちなのでかなり詳細に的確な表現で体験を綴ってくださいました。


・38週4日に日が変わったくらいにおしるしがありました。担当医からは出血があった際も病院に連絡するよう指示があったので、病院に連絡して、来院指示となりました。その時はまだ陣痛はありませんでしたが、時間が経つにつれて痛みが生じてきました。受診時の判断として、そのまま入院、無痛分娩の処置と麻酔投与となりました。麻酔は2種類あって、最初に投与する麻酔は吐き気が生じる場合があるようです。私もやはり吐き気があり、落ち着くまでは不安がありました。  ・朝から促進剤投与で無痛分娩開始となりました。朝を迎えるまでの間に、10分間隔の陣痛が来るようになりました。最初は麻酔が効いていたのですが、切れてからはなかなかしんどいものがありました、すでに無痛分娩のための点滴が繋がれていたため、痛みを逃すために自由に好きな姿勢に動かすことができなかったからです。ヨガでの呼吸法をしつつ、自分自身に耐えろ!と言い聞かしていました。  ・無痛分娩が開始となり、麻酔が効き始めてからは、びっくりするくらい痛みはありませんでした。寝れる時は寝る、食事はしっかり摂るといった感じで、気持ちの余裕はありました。  ・ただ私の場合、子宮口はあまり開かず、赤ちゃんも降りてこないということで、1日目の分娩は断念し、促進剤を中断することになりました。麻酔投与は継続であったため、そのまま分娩台で一夜を過ごすことになりました。  ・一度、赤ちゃんの心拍が急激に少なくなった瞬間がありました。2人の看護師が呼び出してないにもかかわらず来て、私の体位を変え、モニターを見ていました。私もその時心拍が少なくなっていることに気がついたので、急に不安になりました。後々何が起きたか聞いてみたところ、赤ちゃんを出そうとして子宮収縮時に赤ちゃんが苦しくなり心拍が減ることはよくあり、何回もこれが続くと分娩が近いかもということで、様子を見にきたとのことでした。よくよく考えれば理解できる状況でしたが、聞くまでは不安で不安でずっとモニターを眺めていました。  ・翌日(38週5日)、朝から促進剤再開、昼には分娩かなと話していたにもかかわらず、子宮口の開きに大きな変化がありませんでした。さすがにショックで、このままだと帝王切開かもと頭をよぎりました。ただ昼食時、体を起こしてみると、子宮収縮時に赤ちゃんが下に降りてくるような感じの痛みが続きました。もしかしたら、体を起こした状態でいたら、お産が進むかも??と思い、その痛みに耐えることにしました。麻酔を追加することはできたのですが、耐えられる痛みだったことと、左足の麻痺がかなり進行していて、分娩時に力が入らなくなることもよくないと考え、追加しませんでした。  ・この判断が功を奏したのかはわかりませんが、子宮口が開き、赤ちゃんも降りてきてくれました。そして分娩に入りました。ヨガで教えていただいた呼吸法や体(骨盤)の使い方が役立ちました。助産師にこうやって、と言われたときにこんな感じかなとやることができたのは、事前知識としてもっていたことが生きた瞬間だったと思います。  ・分娩は麻酔を追加していなかったので、痛いのかなと覚悟してましたが痛みはなく、赤ちゃんが出てくる感覚だけがありました。ここでも呼吸法が大変役立ちました。分娩はあっという間に終わりました。  ・産後出血がひどく、血液のもとになる液剤の点滴が急遽追加になりました。その後も毎日鉄剤投与となり、検査値からも貧血がひどく予定退院日には退院できませんでした。> (出血は1000g、出産3日後のHg 7.4と医師によっては輸血判断をする数値でした。) 立ちくらみ等自覚症状は全くなかったのですが、数値的に問題ありとすぐわかりましたので、納得の入院延長でした。せっかくサポートがある環境下にまだいることができ、育児の勉強ができると開き直ることができました。  ・退院一週間後検診で、貧血は改善してました。担当医に出血は私の体質なのか質問してみたところ、いろんな要因が重なってのことであり、必ずしも体質だけの問題ではないとのこと。担当医の経験として、無痛分娩の時間が長いと出血量が多い傾向があると。  ・私は妊娠期間は大きなトラブルもなく、一般的な症状がたまにあるくらいでしたが、出産時はスムーズに進まず、イレギュラーなこともありました。ただ担当医や助産師に適宜相談できる状況で、私も都度確認して、その後の対応を落ち着いて判断できたことは良かったと思います。状況を受け入れて、判断することが落ち着いた対応に繋がったと思います。


医学的知識が豊富で、ご自分の経過についても冷静に判断され、不安になっても落ち着いて対処できて素晴らしいですね。
妊娠中にしっかりと心身の準備をされたその努力の上に冷静さがあるのかなという気がします。

経過の途中で「体を起こした状態でいたら、お産が進むかも??」というNさんの直感は正しかったのですね。このような自分の体の状態を正しく観察する力は出産時にとても大切だと私も感じています。